
こんにちわ~流です!今回は電気設備の概要について解説するよ!
この記事でわかること
- 建物の大きさによって変わる引込方法の違いがわかります。
- 低圧引込と高圧引込の違いを簡単に解説します。

初めのうちは電灯やコンセント等内部の設備に気が回りがちですが電気の入口部分なので大変重要です!大まかな流れを把握しておくことで内部設備の理解にもつながりますよ!
こんな人におすすめ
- 電気施工管理会社に入社し、これから電気設備について学んでいく方。
- 家や会社の電気設備ってどんなになってるの?って気になる方。
- 後輩の指導に困っている電気施工管理技士の先輩方。

それでは解説!!
電気設備の概要について
電気設備は主に低圧引込と高圧引込があり、ほとんどの建物がどちらかの方法で電気を電力会社から受け取っています。今回は下記の3つのポイントで低圧と高圧の内容を簡単に説明していきます。
- 低圧引込の電気設備概要
- 高圧引込の電気設備概要
- 低圧引込と高圧引込の違いについて

それでは低圧と高圧それぞれのについて説明していくよ!
低圧引込の電気設備概要
低圧電気設備の引込概要は下図のようになります。


とりあえず用語の解説からや!
用語解説
・架空電線:電柱間を空中で配線している電線のこと。基本的には電力会社の持ち物です。
・電柱上変圧器:低圧引込用に電力会社が設置している変圧器のこと。
・責任分界点:電力会社と使用者の区分を分ける点になります。低圧では引込線を建物の外壁で接続している場所があり接続点が責任分界点となります。
・引込線:電力会社から電気を受け取る電線です。責任分界点より上流側は電力会社が施工、下流側は工事会社が施工します。
・Wh(電力量計):電気のメーターです。これで電力会社が使用料を計測し、電気代を決めています。
・分電盤:引込線1本で入ってきた電気を建物内に分けるために設置される機器です。よくお家で「ブレーカーが落ちて停電した!」というのは分電盤のブレーカーが落ちたということです。「電気を分ける盤」で分電盤という名前です。覚えやすい!
低圧電気設備の特徴
低圧電気設備の最大の特徴は電力会社が家庭内で使用する電圧(100Vなど)に変換してくれているということです。引込した電気をそのまま使用できるため建物内の設備が簡単です。。図を見ても入ってきた電線を分電盤で分けて使用しているだけってことがわかると思います。
ただし、低圧受電ではたくさんの電気を使用することができないという問題があります。低圧引込可能な建物は電気容量が50KVA以下の建物となっています。

低圧引込についてはわかったかな?若手が最初に担当するのは低圧の建物が多いと思うからしっかり覚えてね!
高圧引込の電気設備概要
高圧電気設備の引込概要は下図のようになります。


こっちも用語解説から始めるよ!
用語解説
低圧設備でも出てくる用語は 省略します!
・構内柱:工事業者が高圧引き込みを行うために敷地内に建てる電柱です。
・PAS(気中負荷開閉器):簡単に言うと「電柱に取付する高圧用のブレーカー」です。高圧引き込みの責任分界点はこのPASになります。建物内で電気事故が起きた時に近隣への波及事故を防ぐ保護装置の役割を果たしています。
・変電設備:高圧で引き込んだ電気を建物内で使用可能な電圧(低圧)変換するための設備です。近年ではキュービクル式の変電設備が一般的です。説明すると長くするので「電圧を変換する装置」くらいで覚えておきましょう!
トランス:変圧器のことで電圧を変換することができる機器です。
幹線:変電設備で作った電気を各分電盤へ送電する太い電線のことです。
高圧電気設備の特徴
高圧電気設備の最大の特徴は電力会社から高電圧(6600V)で引き込んだ電気を建物内の変電設備を用いて、低圧電気に変換して使用しています。 変換した電気を建物内の各分電盤へ送電し、照明やコンセントを使用します。
スーパーや大きなビルなど電気容量が50KVを超える建物に採用される受電方式になります。変電設備は規模が大きな建物ほど複雑な設備になるため熟練した知識が必要になります。

高圧設備のことについては超ざっくり!
余談だけど電気容量が2000KVAを超えるとさらに高い電圧で引き込みを行う、特別高圧設備になるよ!鉄道や大工場などで採用される受電方法だよ!
低圧引込と高圧引込の違い
低圧引込と高圧引込の見分け方
最大の見分け方は建物の中に変電設備(キュービクル)があるかどうかでわかります。ただキュービクルは屋上等目立たない場所に設置してあることが多いですのでその場合は電力メーターの種類で見分けることができます。

ボクも昔上司からこの建物は低圧?高圧?とかクイズを出されて覚えました!もし聞かれたらばっちり答えてドヤ顔を決めましょう!(笑)
低圧と高圧引込の決め方
前項でも出てきましたが建物で使用する電気設備の電気容量によって引込方法がきまります。
低圧は0~50KVA、高圧は50~2000KVAです。2000KVA以上は特別高圧になりますがかなり大規模な設備(大工場・鉄道等)になりますので意識していなくても大丈夫です。
「50KVAを境に高圧と低圧が変わる」と覚えておきましょう!
設備内容の違い
低圧設備と高圧設備は下記の点が異なっているので注意が必要です。
建物内に変電設備がある
高圧、低圧引込の建物どちらも使用している電圧は同じです。異なる点は建物内電圧を高圧→低圧に変える設備(変電設備)があるかどうかという点です。高圧引込は建物内に変電設備を設置するため内容が複雑になっており、若手の方にはちょっと難しいです。
申請内容が違う
低圧引込の申請は使用する機器の電気容量、引込概要等を申請資料として添付しますが、高圧引込ではそれ以外に高調波の計算書、変電設備の資料を合わせて提出します。また、変電設備を設置する際には所轄の消防署へ変電設備の設置届を提出する必要があります。

ボクが初めてした時は変電設備の設置届の事を誰からも聞いておらずギリギリセーフで申請しました(汗)。
主任技術者の有無
通常の住宅等の低圧引込の建物は電気的な点検を行う義務はありませんが、変電設備を設置する場合は主任技術者の選任を行う必要があります。ほとんどの建物が各地区の電気保安協会へ委託して主任技術者の選任と定期点検を行っています。

高圧設備の工事を行う場合は主任技術者さんと連絡を取って試験を行ってもらうことを覚えておこうね!
まとめ
今回は低圧引込と高圧引込の概要について説明させていただきました。
・低圧引込は電力会社が調整した電圧の電気を引込そのまま使用する方法です。
50KVA以下の小規模建物に採用されています。
・高圧引込は電力会社から直接電気も引込建物内の変電設備で電圧を調整してから使用する方法です。50KVA~2000KVAの中規模な建物に採用されています。
・低圧設備と高圧設備では様々な違いがあり、高圧設備では様々な申請・手続きを行う必要があるので、初めて管理する場合は注意が必要です。
現場では設計通りに進めれる場合は多く、あんまり意識していないかもしれませんが
全体像を把握することはとても大事なのでしっかり頭に入れておきましょう!

それでは本日もご安全に!
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